彼の指先が私に触れる、刹那の感覚にすら悦を憶えるようになってしまった。思っていたよりもっと、重症だ。私はいつの間にやら、彼に骨抜きにされてしまったらしい。

今日も、彼の寝息を声を潜ませて聴いている。
彼から奏でられる音色は、どんな音楽よりも 私を穏やかで温い気持ちにさせる、
今日も、彼が好きだった。