「彼との最中。私の首筋に唇を這わせていた彼が、徐に口許を歪ませ ふたつの掌をそっと、鋭く私の首に這わせる。それから、段々と力を込めて、私の脳に行き渡ろうとする酸素を遮断する。そして、いつものように感情を気取らせない眼で私を射抜きながら、耳許で愛の言葉や私の名前を囁く。朦朧とする意識のなかで、私はお腹の奥から感じる彼のすべて、それだけを愛しく想い、そっと、意識を手放した。」